「夏休み特別企画!人は本を読まずして読書感想文が書けるか!?」

「坊ちゃんを読んで」  ◯年×組 ヤノケン
夏は暑い。ひたすらに暑い。
それはこの島国に生まれた以上、
否が応でも思い知らされる、周知の事実である。
そんな今の季節、読書感想文のために手に取った一冊。
「坊ちゃん」。
言わずと知れた文豪・夏目漱石の代表作だ。
最初から「おれ」で語られる、坊ちゃんの一人称に、
私はまず疑問を持たずにはいられなかった。
「坊ちゃん」
が、
「おれ」
である。
通常、私たちのイメージする「坊ちゃん」「お坊ちゃま」「ボン」の姿とは・・・。
紺色のブレザーに、赤い蝶ネクタイ、中には白いYシャツにサスペンダー。
髪型はもちろん七三分け、母親を「お母様」と呼ぶ・・・ではなかったか。
だが、この主人公、そんな通俗な良家の少年スタイルを打ち壊し、
ひどく熱血な、しかも青年であった。
さらに彼はなんと、教頭に反発する。
上司にあたる人間をこらしめる、という行動に出る。
これの一体どこが「坊ちゃん」なのであろうか!?
しかし、私は物語を読み進めるうち、はた、と気がついた。
彼の姿は、現代の我々が求めていたそれではないのだろうか?
そもそも「坊」とは、幼い少年をさす言葉であることから、
そういった意味では我々は皆、いわば「坊ちゃん」の時期を過ごして来た。
確かに幼い頃は、むやみに周囲に反発し、誰かをこらしめようとして、
アグレッシブな行動に出る・・・ということに覚えがある。
しかし、そんな行動は年齢を重ねていくうち、減少していってしまう。
周囲とうまく調和できるように、自分をセーブすることができるようになる。
マニュアル化された現代社会の流れに、ただ身を任せてしまうようになる。
つまり、それが俗に「大人になる」ということであろう。
しかしここに、それに反発し、何かを成し遂げてやろう、という、
今日まで我々が忘れてしまっていたスピリッツがあった。
「坊ちゃん」なのに青年。この主人公の馬鹿馬鹿しいまでの暑苦しい姿により、
私の胸に、幼くも、激しく燃え上がる、あの日の感情が再来したのである。
私は、夏目漱石の、先見性、また人間の洞察力、
そしてこの、「こころ」揺さぶる表現力に、感嘆するほかなかった。
やはり世界に誇る文豪、というのも納得である。
だが、最初の1ページ目の段階で、私は気付くべきであった。
セミの鳴き声の聞こえるこの部屋で、
アイスをほおばりながら優雅に読書を楽しもうとしていたことに。
そして、読み終えた後残るのは、興奮した私の汗、
溶けたアイスで、手がべとべと、という不快感であるということに。
最後に、こんな暑苦しい作品を書いてくれた文豪に一句を送りたいと思う。
「ナツメの実 池にはまって ぼっちゃんと」
夏がもうすぐ終わる。
〜完〜
どうでしょうか!?(笑)
限られた情報だけで、感想文がなんとか書けました!!
大体原稿用紙2〜3枚分はあるかと思います!
ここでポイントは、
●本は読んだことにする。
●作品のあらすじは書かない。あくまで感想だけを書いてみる。
●序盤で疑問を持ってみる。
●途中で、はた、と気付いてみる。
●「現代社会」や、「世界に誇る」や、「先見性」や、とりあえずそれっぽく言ってみる。
●自分の生活とからませてみる。多少の脚色もしてみる。
●最後の一行は、オチをつけましょう。
これだけです。さぁみなさん!これは見なかったことにして(笑)
夏休み最後の一日、楽しんで下さいねー!
それではまた次回!さよなライスー!
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by ヤノケン