毎月第1、第3月曜日は「広島大学 Radio Campus」のコーナー!
広島大学の先生や学生にインタビューをして
先生の研究や学生が取り組んでいるのかを伺うコーナーです!
今回は、広島大学大学院の坂田桐子先生にインタビューした様子をお届けしました!
坂田先生が研究しているのは、社会心理学という分野。
社会心理学というのは、対人関係や集団における行動など、
社会の中で人がどのように行動するのか、
その行動の法則性を追求する分野なんだって!
坂田先生はその中でも、集団や組織における人間行動に関心をもっていて、
今は「集団の中における理想的なリーダーシップとは何か」を研究しています。
この研究をしようと思ったのは、
先生自身が集団の中で自分らしく振舞うのが難しいと感じたり、
自分が学級委員になったときに
クラスをまとめることが難しい!と感じたことがきっかけ。
部活の部長や委員会の委員長になったけど
みんなをまとめるのが難しい!って悩んでる9ジラーも
いるんじゃないかな?
先生はこのような経験から「集団」や「リーダーシップ」に
興味を持ったんだって。
「理想的なリーダーシップ」について、
先生に聞いてみたところ
集団が取り組んでいる課題や、集団が置かれている状況によって違うんだって。
一番基本的で、比較的どのような集団にも
一定の効果があると思われているリーダーシップ理論は
「PM理論」と呼ばれるもの!
この理論によると、リーダーは目標を達成できるように
各メンバーのやることをはっきりさせたり、
どんなスケジュールでどのように目標に向かえばよいのか
明確にする必要があるそう。
でも、うまくいかないことがあれば落ち込んだり、やる気をなくしたり、
他のメンバーとうまくいかなくなったりすることもあるよね。
それを防ぐために、リーダーはメンバーの心理状態や集団全体のまとまりに気を配って
悩みの相談にのったり、メンバーに共感して支えたり、
メンバー同士の関係がよくなるようにしたりといった
集団維持行動を行う必要あるんだって!
目標達成の促進と、集団の維持の両方をしっかり行うリーダーシップが理想的です。
そして先生は西日本豪雨災害のときの広島県民の避難行動についても調査されたそう。
調査の結果、災害の時に他者からの避難呼びかけを経験した人ほど
危機感を早い段階で感じたり、
立ち退き避難しようという意思決定をしていたことがわかりました。
逆に、避難したほうがいいのではないかと考えた人でも、
近隣の人が逃げていないのを見た場合は、
避難を辞めてしまうことが多かったのです。
「他者の影響は非常に大きい」ということです。
お子さんやお孫さんからの呼びかけで
避難を決めた!という方もいらっしゃったそうなので、
避難準備情報や避難勧告が出ている、というような時は
迷わずお父さんやお母さん、近所の人などに
「避難しよう」と提案したり、相談してみてください。
これは「10代のみんなにできること」です!
最後に10代へメッセージ!
坂田先生「リーダーシップというのは、
リーダーという役割についている人だけが発揮するではなく
本来は『集団目標の達成のためにメンバーなら
だれでも発揮できる影響』のことを意味しています。
なので10代の皆さんは、自分が思っているより
ずっとできることがたくさんありますし、
リーダーシップを発揮できるはずなんです。
自分はリーダーじゃないから、
そういう立場じゃないからと遠慮するのではなく、
学校でも、あるいは家族の中でも、
自信をもってどんどんリーダーシップを発揮してみてください!」
坂田先生、ありがとうございました!