原爆投下から75年。
2020年8月6日の9ジラジでは、
被爆前後の爆心地中心の街の様子を体験することができる
「VR爆心地」を制作している福山工業高校 計算技術研究部の
3年生 佐藤璃玖くん、平川聖央くん、柿原惟人くんに
インタビューさせてもらいました。
VR爆心地の制作を通して体験した被爆者の方との交流や
平和への思いを聞かせてもらいました。
「VR爆心地」では、75年前の広島の街並みで
原爆ドームを中心として細工町、猿楽町の被爆前後の風景を
約5分で体験できます。
VRで原爆のことを伝えたいと思ったきっかけは、
1年生の頃に被爆者の手記を読んだりお話を聞かせてもらって
原爆の怖さを伝える活動に携わりたいと思ったから。
VRの世界では原爆ドームの被爆前の建物「産業奨励館」が映し出されます。
産業奨励館の一番上、丸いドームの部分は当時展望台で、
広島の街を眺めることができたそうです。
当時そこに上ったことがある方が新潟県にいらっしゃるということで
部員はVRをもってその方を訪ねたそうです。
実際にVRで一番上まで登ってもらい
「通路が狭くて人とすれ違うのが大変だった。同じように作れているよ」
という言葉をもらえたそうです。
こんな風にVRで戦争の怖さを継承していくことについて
被爆者の方からは
「若い世代が新しいもので継承してくれるのはうれしい。ありがとう」と
言ってもらえたそうです。
被爆前の街の様子を見た方は、
当時の思い出をたくさん語ってくれて、
原爆ドームの前にある元安川は当時とてもきれいで
みんな泳いどったんよ!という話も聞けたそうです。
実際にオオクボックスも「VR爆心地」を体験させてもらいました。
コントローラーを使って、細工町を歩きました。
爆心直下の島病院の中庭にも入ることができたし、
今はレストハウスとなっている大正屋呉服店にも入ることができます。
そして空を見上げると黒い点が。
B29です。そして何かが落ちてきました。
原子爆弾です。炸裂し映像は真っ白から真っ黒へ。
燃え盛る産業奨励館。
まさにきのこ雲の中にいる映像です。
被爆者の方の証言をもとに再現したそうです。
この「VR爆心地」を初めて体験した部員も絶句したそうです。
VRだから伝えることができる原爆の恐怖です。
被爆前の街を作るには、1軒1軒丁寧に作ってきます。
被爆証言や当時の街を知る人の証言、
残っている貴重な資料や写真を見て作っていくそうです。
なので10年以上かかっています。
これから中島本町を作って完成させたいと意気込みを語ってくれました。
平川くんの曾祖父が被爆されているという事から
平川くん自身はこの部活での時間を特別なものだと思って活動しているそうです。
柿原くんは、僕たちの世代は「平和とは何?」と聞かれると難しくて答えづらいと思うけど
自分なりの平和を持ったり考えることが大切なので、それぞれの平和を増やしていきたいし
自分もしっかりとした平和を伝えられるように積み重ねていきたいと語ってくれました。
佐藤くんは、被爆者の方のお話を聞いてVR爆心地という作品を作っているので
一言一言を大切に伝えられるように僕たちは頑張っていかないといけないし
後輩たちをしっかり育成して継承していきたいと語ってくれました。
同世代の10代へのメッセージ
平川くん⇒今僕らの世代は戦争や原爆に興味がないかもしれませんが
僕たちの活動を通じて興味を持ってくれるとありがたいです。
佐藤くん⇒直接被爆者の方に会ってお話が聞ける最後の世代です。
自分たち若い世代が平和活動に参加して当時のことを知って
次の世代につなげるためにも平和活動に興味を持ってほしいです。
柿原くん⇒こういう活動をする中で大切にしている考えがあります。
「伝えてもらう側じゃなくて、伝える側にまわる」
僕たちは被爆者の方からたくさん伝えてもらった。
次は僕たちが自信をもって伝える側にならないといけない。
一緒に伝える側になりましょう。
今後どこかで福山工業高校 計算技術部のVRを
体験することができたらぜひ体験をしてみてください。
彼らの平和への思いを受け取ってもらえるとうれしいです。