旅の8日目。2018年9月20日(木)4時10分ごろ・・・
ゲストハウスのベッドで目が覚めました。
相部屋なので迷惑にならないようにすぐに目覚ましを止めるつもりでしたが、
目覚ましが鳴る前に目が覚めました。
いつもは休みの日にうんざりとするこの習慣、今日ばかりはとても感謝をしました。
支度をして玄関の戸をゆっくりと開けると、もちろんまだ外は真っ暗でした。
自転車を置いた場所もライトがなければ見つけられない暗さ。
なんとか荷物をキャリアに括りつけて、
お世話になった「かっぱバックパッカーズ」を後にします。
4時40分ごろ、足摺岬に向けて出発します。狙い通り、まだ雨は降っていません。
自転車が照らす僅かな灯りを頼りに、ただただひたすら暗闇の中を走ります。
恐怖です。
右側には山々が連なり、そして左側には雄大な四万十川が流れる。
その美しい景色を昨日見ていたのに、今はその景色はなく
暗い闇に自分が全て飲まれているかのような、
いや、これから飲み込まれていくような
もしかしたら自分は戻れないんじゃないのか
そんな恐怖にどんどん浸食されていきます。
しかし、何も見えないというのは、他の余計なものを排除して
自分自身と徹底的に向き合うことでもあるんだなと思いました。
この旅で痛めた右膝。
その痛みをこらえながら、もう少しスピードを上げたいが
これ以上あげると、さらに痛みが増す状態。
自分自身の限界を知りながら、それでも走る自分は一体何がしたいのか。
何がしたかったのか。これから何がしたいのか。
人生全て意味がある。プラスのことでもマイナスのことでも
きっと何かしらのメッセージがある。
痛みと向き合いながら前に進むのは難しい。
その痛みが肉体的にでも精神的にでも。
それでも前へ進むのは、その先にはきっと何かが待っているから。
だから人間は立ち上がれる、前へと進める。
それを身をもって味わったんだなと。
そんなことを考えながら、四万十川の暗闇を走っていました。
途中、道の駅のあたりの灯りに少し癒されながら走っていくと5時になりました。
「おはようございます」
真っ暗の状態から少し日が出てくる気配が表れた頃、暗闇から突然声がしました。
え!?と驚いてみると、散歩をしている方がいました。
この真っ暗の中・・・
さらにはトンネルでランニングをしている方とすれ違いました。
この真っ暗の中・・・!?!?!?
ストイックですねぇ・・・
さらに明るくなり、周りの景色が見えるようになってきました。
これはこれで、なかなか見られない光景をこの時間だからこそ見ることができました。
生命力あふれる緑はまだ隠れ、ただただその静けさだけがたたずんでいます。
明るくなっても周りには誰もいません。
ただただ、自分と自転車とそして自然があります。
お腹がすいたので少し休憩。
朝ごはんも結局食べられていないので・・・
ですが、室戸岬空腹事件のようなことにはなりませんでした!!!
高知市内の自転車屋さんで補給食を用意しておいたので!!
やっぱり買っていて良かったですね。本当大事。
そして自分自身と向き合えた、
長い長い四万十川も終わり学校が見えてきました。
木曜日の7時30分。
通学中の子供たちとすれ違います。
さらに走ると高校などもありました。
通学のために高校の制服で原付に乗っている子もいて、
初めてみる光景に少し驚きました。
つづく