神原隆秀の北海道縦断自転車の旅 その32

旅の7日目

2019年9月4日(水)18時35分ごろ

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稚内市開基百年記念塔を目指して

激坂を登っていくとシカに会い

そしてついに日が暮れはじめ

そこにはまた幻想的な景色が広がっていました。

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長い長い時間をかけてゆっくりとオレンジ色が落ちていく様は

もしかしたらこの北の大地でしか見られないのかもしれません。

その夕日は広島で感じる一瞬のようではなく

とても長い時間、この稚内市を照らしていました。

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さらに夕日が少なくなってくると、

記念塔が緑にライトアップ。

夜が訪れたことを示しているかのようです。

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北を観れば稚内市内が明るく煌々と輝いています。

日本最北の夜景であり、日本夜景遺産にも認定されました。

その輝きを見ながら、北の大地の寒さを感じます。

ということで記念塔に入ってみました。

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色んな展示ものが置いてありましたが、

一番驚いたのはこちらのどうぞ手にとってご覧になってください!

というコーナー!

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しかも入館のところに「写真撮影など気軽に声かけてください!」

とのことだったので、お願いしました!

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ずっしり!!!

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そして頭に被らせてもらいました。重たい!!

これ何だかわかりますか?

ミンククジラの骨なんです!

そんな貴重なもの自由に触っていいんですか!?

と何度も確認しましたが、

「貴重なはずなのに、みんな触っていかないんだよねー」

とおっしゃっていました。

ぜひ、触ってほしいですねー!!

そして寒いし暗いから気をつけて、と暖かい言葉をかけていただき

寒さに震えながらくだって宿に戻ります。

自動販売機ではホットドリンクが販売されていました。

コーヒー美味しかったなぁ。

そして宿に戻り、21時になりました。

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21時になるとこの宿ではロビーに集合することになっています。

とても珍しいです。

そして女将さんの話をまずはお聞きします。

29年やっているライダーハウスのこと

北海道を訪れる旅人たちのこと

周りのライダーハウスのこと

数々の旅人たちを迎え、そして送り出してきた

色々な時代を感じるお話を聞かせてもらいます。

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記念撮影のあとは、自己紹介タイムです。

どこから来たのか、普段はどんなことをしているのか

そしてどんな旅の目的を持ってここに来ているのか

順番にマイクがまわってきます。

建築学部の学生で建築を見ながらバイクで旅をしている方

札幌市内に住んでいるけどなかなか北にはきたことがなかったので

特にあてもなく来たという方

北海道1周の現在途中だという方

たくさんの旅がそこには詰まっていました。

そして自分の番

学生時代に右も左もわからないまま東京〜鹿児島間を走ったこと

実はその時に最北端も行ってみたかったけど季節的に無理だったこと

社会人になって諦めていたが休みが取れて去年実現しそうになったが

直前で震災の影響を考慮してなくなく諦めたこと

今回再び旅を行うことができたこと

ようやく明日その夢が叶うこと

色んな想いがこみ上げてきました。

ついに明日で終わりなんだ。描いた夢が叶うんだ。

それぞれの旅に描いた想いが混じり合う

旅人同士にしかわからない感覚が混ざり合う

とても素敵な時間になりました。

そして、こちらもこの宿では恒例となっています。

これがあるからこそ、このみどり湯がさらに有名なのかもしれません。

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松山千春 大空と大地の中で

みんなで歌いました。

それぞれの旅を想いながら歌いました。

とても北海道の旅路に合うんです。

歌いながら、函館からの道を思い出していました。

四国に続いてまた怪我をしてしまったけど

それでもここまでたどり着き、

道中に見た道路、景色、青空、そして出会った人々

その全てがかけがえのない旅の思い出になっていることを

この歌を歌いながら、実感することができました。

今日のこの出会いもまた、一生の宝物で

二度と忘れることのない素敵な夜だったのです。

そして

いよいよ宗谷岬までラストランです。

つづく