今週はいよいよ開幕が11日に迫ったサッカーの祭典、2010FIFAワールドカップ南アフリカ大会関連の曲をピックアップします。現在、大手清涼飲料水のコマーシャルでオンエアーされているので聞いた方も多いかと思いますが、シンガーはアフリカ、ソマリア出身の「ケイナーン」です。ちなみに飲料水メーカーは大会の公式スポンサーになっているので、FIFAワールドカップソングと言っても過言ではない曲です。さて「ケイナーン」は、ソマリアのアーティスト一家に生まれ育ちます。祖父はソマリアを代表する詩人の一人で、アーティスト活動でNYに行った父から彼に1枚のレコードが送られてきた事がきっかけで、ヒップホップと出会い、音楽に興味を持ったようです。その後、祖国ソマリアの内戦が激しくなり、12歳でNYへ亡命。現在はカナダ・トロントを拠点にミュージシャン活動をしています。デビューは2006年のアルバム「THE Dusty Foot Philosopher(フィロソファー)」 。この作品は高い評価を受け、カナダの音楽賞「ジュノ・アワード 最優秀ラップ・アルバム」を受賞します。その後も精力的な活動を続け「音楽を通じて一瞬でも世界がひとつになり、苦しみを忘れる時を作りたい」と、今回のFIFAワールドカップの曲を書き上げたようです。戦争や貧困を経験した彼ならではの思いが伝わってきます。ちなみに「ケイナーン」とは、ソマリア語で「旅人」を意味するそうです。
「K’NAAN」
2010年6月5日 11:55 AM
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