今日取り上げたのは、先日DVDとブルーレイが発売された作品、『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』です。
第87回アカデミー賞で、9部門でノミネートされ、作品賞、監督賞を含む4部門を受賞した話題作ですので、タイトル名を聞いた事がある方も多いでしょう。ご存じない方のためにざっくりと紹介しますと、監督は、「バベル」「21グラム」など、シリアスな人間ドラマで高い評価を得ているメキシコのアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ氏です。内容は落ち目の俳優が現実と幻想のはざまで追い込まれるさまを描いたブラックコメディー。ヒーロー映画の元主演俳優役で「バットマン」シリーズなどのマイケル・キートンが演じています。この皮肉たっぷりなキャストを軸に不条理なストーリーが描かれています。そして、まるでワンカットで撮影されたかのようなカメラワークの効果で観客も作品の世界へと引き込まれていきます。この計算され尽くした俳優陣の動きやカメラワークで、テンポよく展開していくのが特徴的です。また、何と言っても音楽が素晴らしい仕上がりです。アントニオ・サンチェスの即興演奏のドラムソロが、緊張感を音で高めてくれます。ドラム演奏が、俳優や作品が持つ感情を代弁しているかのようなシーンも多々ありますので音にも集中して観て欲しい作品になっています。眼と耳とどちらも刺激してくれる『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』、すでにレンタルもスタートしていますので、お時間ある時に是非どうぞ!
「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」
2015年9月12日 11:55 AM
- KENSHI’S NAVI