今日取り上げるのは、映画「ファントム・スレッド」です。作品を観て、キーワードが2つ思い浮かびました。1つ目が、美意識が高い。これは、どういう事かと言うとファッションの中でもオートクチュールの世界が舞台になっているからかもしれません。主演のダニエル・デイ=ルイスは、ひとつの役柄の準備に長い時で3年を費やすとも言われる俳優です。今回の役作りのためのエピソードを紹介しますと、彼はロンドンの学校でファッションの基礎を学び、そしてニューヨーク・シティバレエ団のコスチューム・ディレクターに約1年弟子入りします。最終的には妻をモデルに、某有名ブランドのドレスを複製していました。この凄まじい美意識へのこだわりが画面からも伝わってきます。もう1つのキーワードとして感じたのが、ジャンルで一括りに出来ない作品、という事。究極の恋愛とも、ブラックユーモアとも、ある意味ホラーとも感じられます。これは、観た人の解釈と想像でいかようにも読み取れるのでジャンル分けというのは意味をなさないでしょう。このようにまとめあげたのは、さすがポール・トーマス・アンダーソン監督だからこそだと思います。音楽をレディオヘッドのギタリストで、最近は映画関連の仕事も多いジョニー・グリーンウッドが手がけています。これも聴きどころですし、映画の魅力の一つになっています。映画「ファントム・スレッド」は、横川シネマで8月14日までの公開。シネマ尾道では8月18日から、福山駅前シネマモードでは8月25日からの公開です。劇場は限られていますが、濃密で濃厚な映画体験をいかがでしょうか?
映画「ファントム・スレッド」
2018年8月11日 11:55 AM
- KENSHI’S NAVI