以前、この時間に映画「ボーダーライン」を取り上げた事があります。アメリカとメキシコの国境で巻き起こる麻薬戦争を描いた社会派のサスペンスでした。この作品の脚本を手掛けたのが、テイラー・シェリダン。その彼が監督と脚本を担当した「ウインド・リバー」の公開が近づいています。前作同様、骨太で重厚感あるサスペンスに仕上がっていますよ。タイトルの「ウインド・リバー」とは直訳すると風の川ですが、これは先住民族がつけた実在する土地の名前です。このネイテイブアメリカン保留地・深い雪に覆われた過酷な土地が舞台となります。ある日、人里離れた雪しかないような場所で女子高生の死体が発見されます。彼女の死因は何なのか?何が彼女を死に追い詰めたのか?その謎を追っていきます。先程、過酷な土地と言いましたが、気温が零下20度・30度が日常の場所です。そんな所で冷たい空気を肺に直接吸い込むと、肺胞がその場で一瞬のうちに凍結して即死してしまいます。この事実が、女子高生の死とその後の事件解決の大きな伏線となりますよ。人種差別という根深いアメリカの闇、銃社会、様々な要素が絡み合いながら物語は進行し、ニューヨークやロサンゼルスといった大都会にはないすさまじい現実をつきつけてきます。大雑把に一言で表現するならば、雪が舞台の現代版・西部劇だと思います。犯人探しに終わらず、復讐は成し遂げられるのでしょうか?社会派のクライムサスペンスとして一級の作品「ウインド・リバー」は、広島サロンシネマ1・2で来週21日から公開です。また、福山駅前シネマモード1・2でも公開予定です。詳しくは、福山駅前シネマモード084-932-3381まで問い合わせるか、公式サイトでご確認下さい。
映画「ウインド・リバー」
2018年9月15日 11:55 AM
- KENSHI’S NAVI