映画「マックイーン:モードの反逆児」

デヴィッド・ボウイ、ビョーク、レディー・ガガ・・といったそうそうたるアーティストに愛されたファッション・デザイナーのドキュメンタリー作品が、昨日から八丁座で公開されています。タイトルは、「マックイーン:モードの反逆児」。マックイーンとは、リー・アレキサンダー・マックイーンの事です。ロンドンの労働者階級に生まれた彼は、洋服の生地を買うのにも失業保険の資金を使うという無一文からの出発でした。しかし、わずか23歳で鮮烈なデビュー。才能はいきなり花開きます。その後、27歳でジバンシィのデザイナーに大抜擢され、メジャーなデザイナーの仲間入りを果たします。その一方で、自身のブランドも同時並行でコレクションを発表するという破竹の勢いで世間の注目を浴びました。忙しさに追い詰められ、神経をすり減らしながら作られたコレクションは過激さを極めていき、いつしか「モードの反逆児」とまで呼ばれるようになります。そんな中、プレッシャーにさらされながら1年に14回ものコレクションを開催しなければなりません。精神的にもぎりぎりの生活を続けるものの、最愛の母が亡くなると、自分の命のカウントダウンも始まっていたのでした。富と名声に溢れる中、なぜ燃え尽きてしまったのか・・壮絶な人生を追うドキュメンタリー
です。命を削りながら生きる、という暗い面ばかり描いている訳ではありません。魔法をかけたかのような芸術的な服が、これでもかと出てきます。華やかなファッションショーのシーンでは、アート作品を観ているかのような気分になる
でしょう。ひょっとしたらアレキサンダー・マックイーンの生き様が、アートなのかも・・そんな感想を抱くかもしれません。映画という芸術の中で、衣服という芸術に触れられる。そんな奇跡のような作品「マックイーン:モードの反逆児」は、八丁座で現在公開中です。