広島県内には数多くの美術館がありますが、個人で運営されている美術館というのはあまり聞いたことがありません。
今回は、生まれ育った地域社会に優れた伝統文化・芸術を紹介する拠点を作りたいと2000年に福山市に私設美術館「ミュージアム花」を作られた塚本登志枝さんをゲストにお迎えしました。
日本の伝統的なものがお好きな塚本さんがコツコツ勉強され、知識や感性、人脈を広げてこられた中に生まれたこの美術館は福山市内を一望できる小高い山の上に位置しロケーションも素晴らしい場所にあります。
展示会はすべて塚本さんが企画立案、全国各地を歩き回り心に響いた作品、地元の人たちにも感じてほしい作品を見つけては交渉をされます。
伝手のない場合には何度も作家さんのもとへ足を運ばれ、交渉を進められることもあり交渉成立までに数年という時間がかかることもあるほどです。はじめは全く興味を示されなかった方々も塚本さんの熱心さと、作品に対する思いを知る中で受け入れを決められるようです。
こういった時間をかけてまで展示会を実現したいという塚本さんの熱い思いの根底にはいつか「子供美術館」を創設したいという計画もあります。
青少年犯罪がとり立たされている昨今、子どものころから「心の教育」の重要性は誰もが知るところです。「感性と創造性」を養うためにミュージアムを拠点にもの作りと描く楽しさ、心の底から感動を覚える音楽などを発信することで「心の教育」に少しでも役立ちたいと考えられています。
1年に1度はすぐれた演奏家を招いて学校訪問授業を行なわれ、本物の芸術がもつ力によって子どもの心を刺激し子ども達に感じる時間を与えられています。
近くで子ども達と接している大人達はつい日々の生活に追われ、子ども達の将来へ向けた環境作りにまで配慮する余裕がない時もありそうですが、塚本さんのように広い目で良い環境作りを考えて下さっている方がいることはとても心強いですね。
来年2010年は「ミュージアム花」は創設10周年を迎えます。
10周年を記念した企画展もいろいろ予定されていますので、是非HPをご覧の上お出かけください。
「ミュージアム花」HP
http://www1.megaegg.ne.jp/~museum-hana
12月4日 ミュージアム「花」代表 塚本 登志枝さん
2009年12月4日 10:28 AM
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