昔ながらのものをいろいろ集め、今に伝えられている方は数多くいらっしゃることと思いますが、今回のゲスト水野恵子さんのお父様故水野義之さんは失われてゆく農村文化を惜しむ気持ちから情熱を持って民具や民芸品、農具、また先祖が紺屋であったことから藍染古布、ボロといわれる襤褸(ぼろ)など数多くの品々を寶水堂コレクションとして残されました。
娘さんである水野さんは、お父様の遺志を継ぎこのコレクションを後世に伝えてきたい・・・と御家族と共に整理をされ、現在の企画展示を行なうまでとなられました。当初はどのように役立てていくべきかと悩まれた時期もあったようですが、実際に布をご覧になった多くの方々の声により、その魅力は広がっていきました。「布自らの持つ力だと思います」そう水野さんは話してくださいました。
「筒描き」という技法を元に作られた藍染古布には庶民の願い、子を思う親の気持ちが込められており、布の端切れが縫い合わされたボロと呼ばれる襤褸には布いとおしみながら何代にも渡って使い込んできた様子が伺えます。
襤褸を見た人たちの中には「パッチワークのよう」と感じられる人もあるようですが、何不自由なく生活する若者の目にはどのように映るのでしょうか。
古き日本の暮らしぶりが感じられる貴重な寶水堂コレクションが、ひとりでも多くの人の目に触れ、私たちの忘れかけた何かを見直すきっかけになってくれれば・・と水野さん。
コレクションのひとつひとつにお父様の思い、そして水野さんをはじめご家族の思いが加わり見るものの心を引き付けてくれます。
是非一度、ご家族そろってご覧頂きたいですね。
寶水堂コレクション→http ://mizuno-k.jp/musee.html
「娘の幸せを祈る藍染筒描きの世界展」2010.5.14~6.27
奥田元宗・小由女美術館(三次市)
http://www.genso-sayume.jp/index2.html
5月21日 藍染コレクション 寶水堂 水野恵子さん
2010年5月21日 10:28 AM
- ゲストウィメンズ