8月17日 同人誌「石榴」代表 木戸博子さん

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今回のゲスト木戸博子さんは、広島の同人雑誌「石榴」(ざくろ)の中心的存在として活動され昨年エッセイ集「クールベからの波」を出版された作家さんです。
これまでにも北日本新聞文学賞、文芸思潮エッセイ賞など数々の賞を受賞されている実力派です。
幼い頃から読んだり書いたりすることは好きだったという木戸さん、少女時代に親元を離れ下宿したことで、その淋しさからより多くの本を読み、親への手紙も週2・3回書くといった経験が現在の活動につながっていると言えそうです。とはいえ本格的にエッセイや小説を執筆し始めたのは30年ほど前から。
結婚、出産を経験した一息ついたころに体調を崩され、この時期自分のライフワークになるものを・・・と思われたのがきっかけでした。
木戸さんが小説を書く際は100枚の原稿であれば、3ヶ月ほどかけて書き上げるそうで、その間小説の世界が壊れないように部屋にこもって執筆活動をするという想像以上にストイックなものです。起きている時も寝ている時も瞬間のひらめきはすぐにメモにするなど、苦しいけれどそれは快感でもあり、書き終えた際の開放感はたまらなく楽しいそうです。
 木戸さんにとって小説を書くとは、日常生活に感じるちょっとした違和感、悩み・苦しみ・喜びを大切にすること。こだわりすぎてはいけないけれど無碍に扱ってもいけない。書くことでそれらが浄化されることもあれば逆に辛くなることもあります。
小説やエッセイに続いてはじめられた俳句は、ときに小説執筆によって偏った精神に安らぎを与えてくれる大切なものでもあります。
いづれにしても言葉や文字で多くの人の心にちょっとした感情、足跡を残す作家というお仕事。スタジオでお話を伺いながら木戸さんの繊細かつ豊かな感性にただ感心するばかりでした。感じる力にしたいですね。
木戸博子さんの作品
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木戸宅℡082-843-5037まで