3月13日 笙演奏家 大津典子さん

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大津典子さんは、和楽器「笙」の演奏家です。文化庁から受けた「すぐれたる芸術家」として、教育現場でのコンサートや体験授業にも取り組み、演奏活動のみならず日本の伝統楽器を伝え広げています。
以前はクラッシック一筋の音楽家。ある日突然「笙」を渡され、それからの笙との縁です。
スタジオでは「笙」という楽器の神秘さ、音色の持つ力などを熱く語られた大津さん。その形は鳳凰という鳥が羽をたたんで休んでいる様子とも言われ、掌で楽器を優しく包み込むように演奏するため、その姿は祈りをささげているようにも見えます。吸っても吐いても音が出るため、呼吸をしながら演奏しているようで音が途切れることがありません。まるで「永遠」「無限」を暗示しているかのようです。音色は「天から降り注ぐ光」とも表されます。
笙の音色の力を実感したのは、大津さんのお父様が入院中、病院内でのロビーコンサートを依頼され、その時ベッドから動くことの出来ない患者さんのためにお部屋で笙を吹かれました。その患者さんは笙の音色を聴いて涙を流され喜ばれたのだそうです。
自分が演奏することで誰かの役にたてるなら…と以来大津さんは導かれるように笙演奏家としての道を歩んできました。
雅楽の持つ波動は独特の世界。大津さんは「ステージに立つと不思議なことに、気負うことなく、緊張することもなくいつもの自分で演奏できるのです」と言われます。
めぐり合い別れの人生ですが、笙との繋がりで普段は行くことの出来ない場所を訪ねたり、出会うことの出来ない人と出会い、ご縁がつながることに感謝の日々を送られています。
2015年は広島でのコンサート、後進の指導、雅楽の伝承など精力的に活動される予定です。
大津典子「天地光の風」HP http://tenchi-hikari.mond.jp/
(2015年1月11日CD「天地光の風Ⅱ」発売)